第90回 【上方浮世絵でみる市川家の役者たち】

上方浮世絵館では、江戸時代の大阪で出版されていた浮世絵を展示しています。大阪の浮世絵は「役者絵」が多く、道頓堀の劇場を中心に上演されていた歌舞伎に出演する役者たちが描かれます。

大阪の浮世絵に描かれる歌舞伎役者たちは、上方を中心に活躍をした役者が多いのですが、江戸で活躍した役者たちも数多く見られます。なかでも七代目市川團十郎をはじめ、江戸歌舞伎界で活躍する役者たちも来阪し、東西交流が盛んに行われていました。また、大阪で活躍しながら七代目團十郎の門下となる初代市川鰕十郎など、上方と江戸の枠を超えた師弟関係もありました。

そこで今回の展示では、大阪で活躍した「市川」を名乗る役者たちを特集します。市川鰕十郎のほか、市川団蔵や市川右団次など、大阪で活躍した市川家の役者たちの姿を、どうぞご覧ください。
第90回企画展