第84回 【浪花道頓堀の役者たち】

84上方浮世絵館では、江戸時代の大阪で出版されていた浮世絵を展示しています。大阪の浮世絵は、道頓堀で上演される歌舞伎芝居を描いた役者絵が多く、役者たちが演じるさまざまな役柄や舞台の様子を見ることができます。

まずは大判三枚続きとなっている浮世絵をご覧ください。

浪花道頓堀大歌舞妓舞台惣稽古之図

寿好堂よし国 画
『浪花道頓堀大歌舞妓舞台惣稽古之図』
文政5年(1822)11月頃


ここに描かれる役者たちは、上方浮世絵の制作が最盛を迎えていた頃に道頓堀大歌舞伎の舞台で活躍しており、まさに当時の人気役者を集めた夢の舞台に向け総稽古をしている図となっています。

今回の展示では、この図に描かれる役者たちを紹介し、当時の道頓堀の舞台がどのような役者たちによって盛り上げられていたかに注目します。舞台に立つ表の姿だけでなく、描かれる稽古姿には人気スターの素顔がみえます。それぞれの役者たちの関係や共演する浮世絵を、ファン目線でぜひお楽しみください。