初代市川鰕十郎の役者絵
2007年11月27日〜2008年2月24日
上方浮世絵館では、江戸時代におもに大阪で制作されていた浮世絵を展示しています。大阪の浮世絵の特徴は、江戸(東京)の浮世絵とことなり、美人画や風景画が少なく、歌舞伎芝居を題材とした役者絵が多いことです。
とくに風貌など役者の個性へ、ありのままに近づける姿のとらえ方は、江戸時代から現代までつづく大阪の気質に通じ、上方浮世絵の大きな魅力となっています。
今回の展示では、上方浮世絵に描かれる役者の中でも、初代市川鰕十郎(1777〜1827)に注目します。寛政期から文政十年に亡くなるまで、大阪と江戸の舞台で活躍し、敵役を得意とした鰕十郎は、東西の役者絵に登場します。
鰕十郎の姿を通して、大阪の浮世絵の魅力に是非ご注目ください。
春好斎 北洲 画
文政7年(1824)1月 角の芝居
『遖傾城花大矢数』
市川 鰕十郎1 ⋯ 和田雷八