第77回 【罪と罰】
2020年11月17日(火)〜2021年2月28日(日)
上方浮世絵館では、江戸時代の大阪で制作された浮世絵を展示しています。大阪の浮世絵は役者絵が多く、道頓堀の歌舞伎で活躍した役者たちが描かれています。衣装を身に纏い役柄に扮する役者たちの気迫が、浮世絵から伝わります。
歌舞伎の演目には武家や町人などあらゆる身分や、老若男女が役柄として登場します。なかには主人公を追い詰める悪役もあり、その罪が罰せられる場面は痛快なストーリーとなります。しかし、悪事や罪を犯す役が全て悪役とは限りません。
そこで今回の展示では、芝居の筋に大きく関わる「罪」と「罰」について取り上げます。石川五右衛門は盗賊の役として有名ですが、芝居のなかではヒーローとなっている場合もあります。また、たとえ罰を受けようともその罪を犯さざるをえない葛藤には、法では裁けない物語があります。役者たちが演じた芝居の人物たちを、どうぞ「名裁き」してみてください。