芝居にみる江戸時代のくらし ー身分・しごと編ー
2012年6月5日〜9月9日
歌舞伎芝居は、多種多様な登場人物たちがそのストーリーを展開します。道頓堀などの芝居の舞台で、歌舞伎役者たちはさまざまな役を演じ、その姿が浮世絵に描かれました。
そこで今回の展示では、芝居の中で演じられる人物の役どころに注目します。貴族や武士、町人という身分だけでなく、商人や職人などの職業や芸の稼業など、舞台の上でさまざまに演じ分けた役者たちの姿を通して、疑似体験していただけたらと思います。
国貞(江戸) 画
文政7年(1824)11月 中村座
『中村座三階之図』
江戸時代のくらしのなかの”しごと”
- 乳人…生母にかわって赤児に乳を与え育てる
- 番頭…商家などの使用人のかしら
- 手代…番頭と丁稚との中間に位する使用人
- 丁稚( でっち)…職人・商家などに年季奉公をする少年
- 親王…天皇の兄弟および皇子の称号
- 右大弁…太政官右弁官局の長・従四位上相当
- 小姓…貴人のそば近くに仕えて身の回りの雑用を務める役
- 仕丁…貴族の家などで雑役に従事する下男
- 将軍…鎌倉時代以降幕府の主宰者の職名・征夷大将軍
- 遊君…宴席で歌舞をし寝所に侍る職業
- 芸者…歌舞・音曲で酒宴の席に興を添える職業
- たいこ持…宴席に出て客の遊びに興を添える職業
- 腰元…身分の高い人に仕え雑用をする侍女
- 上人…知徳を備えるすぐれた僧
- 渡し守…渡し船の船頭
- 飛脚…手紙・金銭・小荷物などの送達にあたった者
- 浮世又平…大津絵師が師匠にその力を認められ「土佐」の名字が与えられる
- 歌舞伎役者…歌舞伎を演じる俳優三階とは芝居の楽屋をさす