夢か うつつか まぼろしか 不可思議世界の芝居
2010年12月7日〜2011年3月21日
上方浮世絵館で展示します浮世絵は、江戸時代の後半から明治初期にかけて、大阪で制作された浮世絵です。大阪の浮世絵は、歌舞伎芝居に出演する役者たちを描いたものがほとんどであることが特徴です。
歌舞伎芝居には、さまざまなストーリーや人間模様がおり込まれていますが、奇妙な生物や変身変化、あるいは霊験奇譚に怨霊など、現実離れした設定も登場します。当時の人々の空想世界が、歌舞伎の世界へ取り入れられ、舞台の上へ工夫されました。
今回の展示では、そんな異世界をみせる芝居に注目します。浮世絵には、変幻自在に不思議の世界を演出した様子が描かれます。浮世絵がもつ表現の魅力とともに、歌舞伎のエンターテイメント性を、どうぞご覧ください。
【四海平清盛】
造営されていた厳島神社の完成間近という時、太陽がかたむきだしたために、怒った清盛が扇で日を招き返した。
広貞 画
嘉永5年(1852)1月 中の芝居
『四海平清盛』
実川 延三郎1 … 平宗盛
中村 歌右衛門4 … 平清盛
中山 南枝2 … 常盤前
【菅原伝授手習鑑】
藤原時平の讒言により、太宰府へ流された菅原道真が怨霊となって、都を襲う。
寿好堂 よし国 画
文政9年(1826)3月 中の芝居
『菅原伝授手習鑑』
尾上 菊五郎3 … 菅丞相霊魂
有楽斎 / 長国 画
文政4年(1821)8月 北新地
『頼政鵺物語』
嵐 橘三郎1 … 源三位頼政
中山 一蝶4 … 猪の早太
嵐 小六4 … あやめのまへ