第28回企画展

芝居になった歴史人物列伝
2008年5月27日〜8月31日

現代でも人気のある『菅原伝授手習鑑』や『義経千本桜』などの演目は、江戸時代においてもさかんに上演され、大坂の歌舞伎芝居を描いた上方浮世絵に数多く登場します。
これら“時代物”と呼ばれる日本の歴史に取材した芝居は、源義経など当時においてもすでに人気の歴史人物を主人公に、創作されました。また、『仮名手本忠臣蔵』など、江戸時代におこった事件をもとにした演目は、史実をそのままに上演することは徳川幕府への批判と見なされたため、別の時代へと仮託して上演されました。
今回の展示では、上方浮世絵に描かれた役者たちが演じた歴史人物に注目し、実際の事件や合戦などが、どのように歌舞伎となっているかを紹介します。当時の人々がどのように歴史を楽しんでいたのか、ぜひご覧ください。

仮名手本忠臣蔵
多美国 画
文政7年(1824)頃か
『仮名手本忠臣蔵』
尾上 芙雀3 ⋯ 塩谷判官
中村 鶴助1 ⋯ 高師直