第91回 【浮世絵竹づくし】

上方浮世絵館では、江戸時代の大阪で出版されていた浮世絵を展示しています。大阪の浮世絵は、役者絵が多いのが特徴です。道頓堀の芝居を中心に出演する人気の歌舞伎役者たちが描かれました。

役者絵の主役は役者の姿ですが、その背景となる景色や舞台上の大道具小道具からは、当時の生活様式を垣間見ることができます。なかでもさまざまな場面において登場する「竹」は、芝居に多用されストーリーに重要な役割をもっています。

そこで今回の展示では、「竹」にまつわる浮世絵に注目します。常緑樹で繁殖性の強さから神聖視された「竹」は儀式に使用される場面だけでなく、「竹」の持つ柔軟性から生活に欠かせない建具や道具など、多岐に渡り登場します。芝居や役者の姿とともに「竹」の意匠が示す意味を、どうぞご覧ください。
浮世絵竹づくし