第68回 【浮世絵動物演〜芝居のなかの動物たち〜】

浮世絵動物演〜芝居のなかの動物たち〜
上方浮世絵館では、江戸時代の大阪で作られた浮世絵を展示しています。大阪の浮世絵は、歌舞伎役者を描いた役者絵が多いのが特徴です。役者絵には、役者が芝居を演じる姿や、歌舞伎独特の見得をきる姿が描かれています。

歌舞伎芝居は、女性役もすべて男性のみで演じられます。なかには人間ではない役もあり、『芦屋道満大内鑑』の“葛の葉”のようにキツネが化けている役があげられます。また『仮名手本忠臣蔵』の“イノシシ”のように、動物がストーリーにかかせない役である場合も少なくありません。

そこで今回の展示は、芝居に登場する動物たちがテーマです。時代物に登場する武将にかかせない馬や、登場人物が妖術によって変身する鼠まで、芝居のなかで演技する動物たちに注目しました。愛らしい動物たちの演技を、どうぞお楽しみください。